地域にやさしい商店街

本町通り商店街

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~商店街のお店の魅力を集めた「商店街ビュッフェ」~

商店街の様子 本町通り商店街はかつては町一番の繁華街でしたが、商店街の店舗数は徐々に減少し、空き店舗や駐車場が目立つようになっていました。郊外型の大型店に消費が流出したこともあり、商店街内や近隣の八百屋やAコープが相次いで閉店し、近隣の住民が近所で新鮮な野菜を手に入れることは難しくなりました。空き店舗対策事業を検討していた内子町商店会は、周辺地域に農家が多く存在する環境を活かして、地元農産物とそれを加工した惣菜を販売することを企画しました。折しも、事業目的が合致する農林水産省の「地域流通モデル構築支援事業」が募集されており、提案に踏み切ったところ事業は採択され、「内子半畳市806(やおろく)」の開設となりました。
  この「内子半畳市806(やおろく)」は、近郊の道の駅「内子フレッシュパークからり」を参考にした、からりのミニサイズ版・まちなか版としてスタートしました。事業の中心は、地元農家から出品される農産物の委託販売と、地元農産物を商店街の飲食店が加工した惣菜を販売する商店街ビュッフェです。出品される農産物には農家が自由に値段をつけ、生産者を明示する形で販売しているため、人気のある生産者は売れゆきがよく、農家どうしが互いの商品の価格を参考にしながら価格設定をするなど、店舗内である程度の競争原理が働く仕組みとなっています。また、「商店街ビュッフェ」による惣菜は、高齢者や近隣に勤める会社員のニーズもあって、「806(やおろく)」の主力商品となっています。
  「806(やおろく)」が農産物の採れない売れない冬からの開始となったため、出品農家の確保が第一の壁となりましたが、商店会メンバーが1 軒ずつ農家に打診し、20 軒程度の出品者を確保できました。当初は様子見していたが今では出品を希望する農家も増えてきています。惣菜販売についても、協力店は確保できたものの、当初想定していなかった卸売販売業許取得の費用負担が発生したため、反応が心配されました。しかし、商店街全体で取り組むという意識から、出品を取りやめる店舗はありませんでした。また運営においては、店長を中心として女性5名が有給のスタッフとして店頭に立ち、1日1.5人の体制をとっています。 「806(やおろく)」店舗内の様子
  不足業種だった野菜や惣菜の販売を行ったことで日常的に必要となる品が手に入るようになり、高齢者を中心とした地元住民の生活に貢献できるようになりました。また、商店街の中でも人の集まる店舗となっていることから、商店街の明るさにもつながっています。規模こそ小さいものの、農家と商店街とが連携して相互の利益を生み出す仕組みも構築できています。今後は、経営管理に力を入れることで収益性を高めることが必要です。また、商店街はこの取り組みを通して、地域や商店街の活性化を行っていく必要があるという共通認識を持つことができ、今後の土台づくりとなりました。

商店街概要

商店街名 本町通り商店街
所在地 愛媛県喜多郡内子町内子
組合(会員)数
URL http://www.ehime-iinet.or.jp/