地域にやさしい商店街

木更津本町商店街

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~近隣住民の食生活と交流を支える地域密着型の店舗運営~

ふれあいプラザ本町の外観 本町商店街は、木更津駅西口近くの商店街です。平成9年の東京湾アクアラインの開通、郊外地域への大型商業施設の進出、そして平成12年の大手百貨店や駅前の大型スーパーの撤退により、木更津駅西口にある商店街では歩く人もあまり見られなくなっていました。本町商店街でも、20年程前には40程度あった店舗が今では10店舗ほどになっています。こうしたなか、駅周辺地域に住む住民、特に車を運転して郊外に出掛けられない高齢者にとっては、徒歩や自転車で野菜等を買える近所の商店がほとんどない状況になり、日々の買い物も不便になっていました。このことに強い危機感をもった当時の理事長のリーダシップのもと、本町商店街振興組合が主体となって、平成14年10月に、商店街の空き店舗を活用した産直の生鮮野菜販売所「ふれあいプラザ本町」が開設しました。
  商店街振興組合が保有していた駐車場をバブル崩壊前に高値で売却できたこともあり、ふれあいプラザ本町の店舗の購入資金にあてることができました。今でこそ、商店街の空き店舗を活用した農産物直売所は珍しくなくなってきましたが、ふれあいプラザ本町の開設当初は全国的にも先行事例は殆どありませんでした。開業にあたっては、県から斡旋された指導員のもと、他地域も十分視察したうえで事業計画を立てましたが、最初の2年間は赤字となりました。少し離れた場所に地域密着型で地元で評判の良いスーパーがあったことがその一因でした。しかしさまざまな事情からそのスーパーが閉店を余儀なくされ、その後に出店してきたスーパーがまもなく撤退すると、移動手段が徒歩や自転車に限られる地域住民にとって、ふれあいプラザ本町は住民の頼れる唯一の場所となりました。
ふれあいプラザ本町の店内  ふれあいプラザ本町では、地元農家の朝採り産直野菜を中心としながらも、顧客ニーズに応える品揃えを安定的に行うため、JA木更津や地元の青果業者の野菜を委託形式で販売しています。地元農家は、毎朝採れた野菜を店に持ち込んで自ら値段を決め、売れ残りを翌日以降に持ち帰る仕組みになっています。各農家は他の農家の値段も観察しながら値付けするため、相場より2割程度安い価格になっています。また、顧客のニーズに応じて惣菜、菓子類、日用品等も取り揃えており、程よい品揃えの商品を、高齢者でも無理なくひと回りできる程よい大きさの店舗で販売することが、買い物のしやすさに繋がっています。さらに、ふれあいプラザ本町はその名の通り、地域住民の交流の場を提供することも目的であり、近年はこの点も一段と重視し、コミュニティ・スペースも充実しています。
  ふれあいプラザ本町は、地域住民に新鮮な野菜や日用品を8年間にわたり継続的かつ安定的に提供しており、常連も多い。しかしこの8年には、顧客もさらに高齢化しています。今後は、産直野菜の安定供給に向けて仕入先をさらに開拓するだけでなく、他店にはない魅力を明確にして強化し、新たな顧客も獲得しながら、人と人との付き合いや交流も生まれる「温もりのあるお店」として継続していきたいと考えています。

商店街概要

商店街名 木更津本町商店街
所在地 千葉県木更津市中央
組合(会員)数 10店舗
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