地域にやさしい商店街

鈴蘭商店街

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~若い世代を商店街に-コミュニティカフェやチャレンジショップの展開~

 滝川市の中心市街地となるJR 滝川駅周辺地区には、鈴蘭商店街(通称名ベルロード)をはじめとする複数の商店街が広がっています。しかし、平成7年頃からバイパス沿いに郊外型大型店が進出しはじめ、消費は郊外へと流出し、経営難や後継者不足から商店街のにぎわいは失われ始めました。さらに、平成15年に駅前の大手スーパーが撤退すると人通りはいっそう減りました。
「need it」の外観  このような中、活気が失われてしまった中心市街地を活性化すべく、滝川市商店街振興組合連合会が中心となって、商店街に不足していた「食」の要素を取り入れて来街者を増やすことを考え、平成20年度にコミュニティカフェ「need it」、地産地消レストラン「た・べる」を開設しました。あわせて、商店街に新規出店を促すためのチャレンジショップ「ふらっと」も開設し、これら3拠点で総合的な空き店舗対策と商店街活性化のための取り組みを実施していくことになりました。
  そのなかでも、コミュニティカフェ「need it」は、これまで客層として少なかった若者を商店街に呼び込む目的から企画されました。昼間はカフェ、夜はダイニングバーとして営業されています。これまで地域になかった“おしゃれなカフェ”というコンセプトが住民のニーズに合致したこともあって、若者だけでなく主婦など幅広い客層を得て月間1,000人強の利用があります。「need it」をはじめ、「た・べる」「ふらっと」も含めた3拠点の企画や運営については、滝川市商店街振興組合連合会メンバーがそれぞれ担当しています。そのため、店舗が立地するベルロードの関係者が中心的に活動するものの、単一の商店街としての取り組みから、周辺商店街の関係者も関わる取り組みとなっています。
「ふらっと」のチャレンジショップ 「た・べる」は、地元農家等と連携して地場産品を活用した健康食を高齢者向けに提供するという企画で運営が開始されましたが、地場産品のコストが高いため収益性が低く抑えられ、また地元高齢者の来店も少ない状況となっています。また、「need it」は、中小企業庁の事業補助金を含めると黒字経営ですが、補助金がなくなっても自立経営できることが喫緊の課題となっています。「ふらっと」ではチャレンジショップの出店希望者は少ない状況にありますが、現在までに3店舗がチャレンジショップを卒業し商店街で開業するなど、重要な役割を果たしています。
  「need it」の開設は、少なからず商店街に人通りを作り出しました。また、これまで地域に不足していた「食」を手段として、地域住民にコミュニケーションの機会や場も提供することができています。加えて、「ふらっと」発の店舗の開店は、商店街の明るさや人通りを創出するだけでなく、新しくチャレンジショップを出店する店主のモデルともなります。今後は、事業継続のための収益性の向上と、活動を担う層の拡大や若い世代の育成が重要になっています。

商店街概要

商店街名 鈴蘭商店街
所在地 北海道滝川市栄町
組合(会員)数 34店舗
URL http://www.kuleba.jp/shop/detail.php?id=235