地域にやさしい商店街

牧野本町商店街

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~食育を通じたNPOと商店街の協力・連携による活性化~

 牧野本町商店街は50年以上続く地域密着型の商店街です。駅から少し離れた場所にある商店街ではありますが、周辺の住宅地にはマンションや市営住宅もあり、若い世帯も多く住んでいます。しかし、商店街に来るお客さんは中高年やお年寄りが多く、子ども連れや小中学生の姿を見かけることはほとんどありません。近年は郊外に大型スーパーが進出してきたこともあり商店街の店舗数は減少、徐々に活気も失われてきています。特に後継者のいない商店では、店主の高齢化とともに店じまいし、商店街にはいくつかの空き店舗も出始めています。こうしたなか、料理教室などを行うための店舗を探していたNPO法人「ふれあいネットひらかた」が、牧野本町商店街の空き店舗に入居し、「食育ステーションまきの」をオープンしました。

「食育ステーションまきの」外観  食育ステーションが行う「小学生のキッズ・キッチン」は、従来の料理教室とは大きく異なります。子どもたち自身が予算内で献立作りを行い、必要な食材の種類や量を計算し、財布とエコバックを持って商店街の肉屋や八百屋、スーパーなどに食材の買い物に出かけます。子どもたちが買い物に行くと、お店の人は子どもたちに声をかけてくれます。子どもたちとの会話で商店街の通りやお店は賑やかになり、子どもたちは段取りの基礎やマナーなどを学び、自信や達成感を得ることができます。
  さらに、食育ステーションが中心となり、商店街の魅力を活用した新たな取り組みも始まっています。商店街の店主を1日講師として招いて行う調理実習「商店街の店主による体験料理教室」です。 「食育ステーションまきの」内観
  商店街には、肉屋、八百屋、洋食屋、そば屋など、おいしいこだわりのものがいっぱいあり、その道のプロが揃っています。実習形式の教室を通じて、それを地域の人々に知ってもらいます。募集開始後にはすぐに定員一杯になるほどの盛況ぶりで、参加した住民からも、「商店街を知る良い機会になった」「今度はお店に行ってみたい」「お店の方と顔見知りになれた」などの声も聞かれています。この取り組みには、商店街の各商店の協力が欠かせないため、事前に商店街振興組合の理事会で取り組み内容を説明しています。牧野本町商店街では、若い人が率先して取り組むものに全面的に協力するスタンスの店主が多く、快く承認してもらえるといいます。
  小学生のキッズ・キッチンや、商店街の店主による体験料理教室に参加した地域の住民には商店街が身近な存在になってきています。今後は、日ごろから商店街に人々を呼び込むような仕掛けづくりとして、月に1回程度“子どもが主役”の子ども祭りを商店街で開催したり、商店街のなかに地域の人々が集まれるコミュニティ・スペースを設けたりもしたいと考えています。また、商店街全体でみれば、商店主の高齢化が大きな問題となっており、商店街に若い世代が入り商店街全体を盛り上げていかなければならないと感じています。

商店街概要

商店街名 牧野本町商店街
所在地 大阪府枚方市牧野本町
組合(会員)数 53店舗
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