地域にやさしい商店街

吉祥寺中道通り商店街

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~地元客に信頼される、安心安全な食品セレクトショップ~

「麦わら帽子」の外観 吉祥寺中道通り商店街は、吉祥寺駅から徒歩数分の場所にあり、全長約540 メートルの吉祥寺最長の商店街です。薬局や電気屋など昔ながらの商店は並んでいるものの、街路灯も少なく路面整備も十分ではない環境でした。そこで、新しく元気のある店舗を商店街中央に設置して人の流れを作りだしたいと、平成13年、武蔵野市の友好・姉妹都市の特産品・生鮮食品や市内近郊農家の野菜・果物を取扱うアンテナショップ「麦わら帽子」が設立されました。市の事業として設立されたことから、立ち上げから開店までは市職員が出向していましたが、店舗運営には民間スキルの活用が効果的と考えられたため、近隣にある百貨店の元社員であった初代店長が運営にかかわることになりました。開店後の店舗運営には市はかかわらず、初代店長が中心となり、同じく百貨店元社員であった現店長を含むメンバーに運営が任されました。
  「麦わら帽子」は当初、市の補助を受けており収益性を求める発想につながりにくく、数年間は赤字が続き厳しい意見が寄せられる状況でした。そのようななか、平成18年に前任者から店長職を引継いだ現店長は、店舗に対する批判もあるものの、やはりこの取り組みは重要であると強く感じ、店舗の経営自体を上向かせて事業を成功させる方法を模索しはじめました。そこで最も重視したのは、顧客との距離感です。店舗の個性、コンセプトを打ち出して積極的に顧客に働きかけるとともに、顧客のニーズをできる限りすくい上げて対応し信頼されることがリピーターの確保につながると考え、店舗の改革を始めました。
店舗内の様子  当時の品揃えを不十分と感じた現店長は、いかに他店で入手できないものを置いて顧客の「発見」を引き出すかを重視し、地方の良いものを取り揃える「セレクトショップ」をコンセプトに、商品を大きく入れ替えました。友好・姉妹都市の特産品を中心とすることは変わりませんが、それ以外の都市の産品でも顧客満足につながるような商品であれば、販売することにしました。また、個人や直売所から仕入れるため日によって商品が異なること、週替わりで各市町村の商品を取り上げたりイベントを行なったりすることで、店舗に来るたびに新たな商品を発見する「楽しみ」も提供しています。このような努力もあって、現在では毎日500人程度が訪れる人気店となっており、平成19年度からは市の補助も終了したうえで黒字経営を続けています。
  中道通り商店街では、「麦わら帽子」を含めた個性的で集客力のある店舗の出店によって商店街全体に人通りが作り出され、そうした環境がさらに新規出店を呼び込むという良い循環が生まれ始めました。商店会としても、こうした個店の商業環境を支えるため、それまで不十分であったハード面の整備に取り組んでいます。最近では、吉祥寺でも特に注目される商店街となっており、海外からの団体観光客も訪れるほどの人気となっています。しかし、新しい店舗が次々とできる一方で、若く経験の少ない店主も多く、良い商品を提供することができても経営面で弱い店舗は早期に閉店してしまうことも多く、経営のノウハウ面でバックアップしてくれるようなセクションが必要とされています。このような役割を商店会が担っていくことも、今後は求められるだろうと言えます。

商店街概要

商店街名 吉祥寺中道通り商店街
所在地 東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目
組合(会員)数
URL http://kichijoji-nakamichi.com/