地域にやさしい商店街

大井銀座商店街

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~食育ステーションと商店街の連携、まちづくりへの展開~

 大井町では、2002年の「りんかい線」の開通により人の流れが大きく変わることで、地域間競争の激化による地域の地盤沈下が懸念されていました。こうしたなか、大井銀座商店街では当時の野菜ブームもあり、商店街の会員がかかわり易い健康をキーワードとした活性化を図っていこうと、2003年から「大井町健康フェスタ」を開催していました。しかし、イベントでの賑わいは一過性のものであり、商店街ではその後の継続的な活動が必要だと感じるようになりました。そこで、食育を広めるために活動していた「NPO法人みんなの食育」と連携し、2005年1月、空き店舗を活用して商店街に食育ステーション「みんなの食育ステーションin大井町」を開設することにしました。
食育ステーションの外観  食育ステーションの開設にあたっては、補償金250万円、家賃(助成対象期間)735万円、初期イベント費用60万円の経費が必要となりましたが、総額の3分の1は区の商店街活性化の助成金、3分の1は東京都の商店街活性化の助成金を活用することで、NPO法人みんなの食育の自己負担を3分の1に抑えることができました。こうして開設された食育ステーションでは、地元の人などを対象にした料理教室、食事カウンセリング、健康食材の常設販売、週1回の「金曜市」(店頭で野菜・果物や惣菜を販売)などが行われています。
  さらに、食育ステーション単独での取り組みに留まらず、商店街の他店との連携も始まっています。商店街内の飲食店「AWAYA」では、食育ステーションと連携して開発した、食育と関連するオリジナルメニューを販売しています。
食育ステーションのキッチン  「みんなの食育ステーションin大井町」は、開設後3年間で来店者数は約8,000名、料理教室参加者数は約4,600名となっており、健康に関心を持つリピーターも多くなっています。また、その存在が広く周辺住民に認知されているほか、テレビ、新聞、雑誌等のメディアでも取り上げられる機会も多く、大井銀座商店街のPR効果も高い。一方、商店街は個店の集まりであるため商店街活動に対する意識はまちまちであり、一つの方向に向かうのは難しい側面があります。大井地域では、商店街、大型店、町会、学校、地元企業、地域住民等、多様な関係者で構成されている事業型の「NPO法人まちづくり大井」も動き出しており、商業関係者がこうした活動に参加することが期待されています。

商店街概要

商店街名 大井銀座商店街
所在地 東京都品川区東大井5-5-10
組合(会員)数 98名
URL http://www.ooimachi.jp/