環境にやさしい商店街

登り町グリーン通り商店街

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~ファサード整備に基づくエコロジカルタウンづくり~

 登り町グリーン通り商店街は、昭和37年のアーケード建設をきっかけに商店街の原形が形成されました。そのアーケードの老朽化が顕著となってきた平成10年、滋賀県立大学の学生らが社会調査の一環で当地域に入りました。学生が新たな商店街づくりの調査研究に取り組むなか、やる気ある店主らも加わり一緒になって新たな商店街像を描くようになり、アーケード撤去とともに新しい景観整備(ファサード整備)に取り組む方向性が見えてきました。しかし、当時の商店街は任意組織であったため、この取り組みを機に振興組合を設立しようとの機運が高まり、平成10年11月の総会でアーケード撤去とともに新しい商店街づくり(ファサード整備事業)に取り組むことが決まりました。ファサード整備事業は滋賀県の中小商業活性化助成金を活用し「共同化事業基本構想事業」の一環として取り組まれました。 なお、組合設立に当たり、ファサード整備のほかケナフ栽培などを採り入れる事業構想があったことから、環境にこだわった商店街づくりとの思いから商店街名を「登り町グリーン通り商店街」と命名するに至りました。
各店舗のプランターボックス設置(全景)  ファサード整備事業では、マリア・テレジア・イエロー基調とした欧風調の街並み景観整備のほか、二酸化炭素の吸収に優れているケナフ栽培や緑化整備(プランターボックスの設置)、早稲田商店街の空き缶回収事業を採り入れたリサイクルの取り組み、また空き店舗対策で取り組んだエコ商品陳列事業などを展開しました。
  また、組合設立と同時期に、おかみさんや女性店主らの女性部会「グリーレディース」が立ち上がり、店先カルチャーと銘打った活動を行っています。これは、各店主が講師役となり、寄せ植えやフラーアレンジメントなどをカルチャースクール形式で行うものです。
  ファサード整備事業から始まったリサイクル事業やケナフ栽培、エコ商品陳列などのエコ活動は5年足らずで終息してしまいました。リサイクル活動の目的意識の希薄さやケナフの絶滅などで商店主らのやる気が失せてしまったことがその要因でした。緑化整備事業のプランターボックスは、年2回の入れ替えが継続しています。彦根市の補助を毎年受けることでプランター維持費が賄われています。また、グリーンレディースの店先カルチャーは草の根の活動として継続され、平成21年度の「彦根市男女共同参画推進事業者」表彰を受けました。
登り町グリーレディース活動紹介記  商店街は、ファサード整備事業をきっかけに、環境にやさしい商店街づくりに取り組んできましたが、商店主の高齢化が進む中、組合設立当初のやる気と若さは消失してきています。同様に、近隣商店街でも空き店舗の増加などによる閉塞感が漂っています。地域の存続のためにも、商店街が地域住民や支援機関などと協働で取り組める新たな刺激策が求められています。

商店街概要

商店街名 登り町グリーン通り商店街
所在地 滋賀県彦根市中央町
組合数 34
URL http://www.biwako.ne.jp/~green/