環境にやさしい商店街

新鳥取駅前地区商店街

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~民間企業とタイアップした食品リサイクル事業~

食品リサイクルループで再生された液体堆肥  新鳥取駅前地区商店街では、平成16年の鳥取市と近隣8町村との合併を機に、旧用瀬町でリサイクル事業を営んできた廃物処理事業者の食品リサイクル事業の営業を受けました。この食品リサイクル事業とは、事業者が飲食店などから排出される生ごみを個別店舗ごとに分別収集し、独自のプラント施設で微生物の力を借りて1日がかりで液体肥料(有機土壌活性液)に再生し、その堆肥を近隣の地元農家に提供、農家で野菜作りの土壌活用に充てるものです。
  商店街ではこれまで、飲食店や食品販売店から排出される生ごみは可燃ごみとして対応してきました。商店街は、事業者とともに商品リサイクル事業の取り組みや他の商店街の取り組み事例などを学ぶ勉強会を重ねました。勉強会では、商店街がリサイクルステーションを設置してリサイクル活動に取り組む事例が取り上げられましたが、新鳥取駅前地区商店街は4つの商店会から形成されていることから、人・力がまとまりにくい環境にあったため、個店単位で無理なくできる取り組みが望ましいと考えられていました。結果、事業者の提案による個別回収の取り組みが望ましいとして、平成22年度よりこの事業に乗り出しました。商店街加盟店7店舗は、排出される生ごみを分別し、毎日収集しに来る事業者に託すこととなりました。
液体堆肥を活用した野菜栽培教室の様子  一方、商店街では毎月第4日曜日に開催されてきた「いなばのお袋市」において、地元農家で栽培された野菜の直販を行うテスト事業に乗り出していました。商店街には、生鮮品を扱う店がなかったため、来街者からの受けは良く、開催ごとにリピート客が根付くようになっていました。さらに、全国商店街振興組合連合会の平成22年度商店街実践活動事業補助を活用し、日曜市で液体堆肥を活用したプランター野菜栽培教室の開催をはじめ、食品リサイクル事業の取り組みを案内したパネル展示も行い、来街者とともに環境保全問題を考えるきっかけの場を提供しました。
  この食品リサイクル事業には、カーボンオフセットへの取り組みの動きがあり、液体堆肥で生産された野菜には今後ブランド化の期待が掛かっています。商店街加盟店の百貨店からは、食品売り場で地産地消の商品として取り扱いたいとの意向が示されています。
  これまで可燃ごみとしてきた生ごみは二酸化炭素を排出するだけでしたが、リサイクルにより二酸化炭素の抑制につながることがわかりました。二酸化炭素削減で生じる効果をカーボンクレジットとして取り扱い、商店街にマイカーで来る消費者の二酸化炭素排出をオフセットする仕組みを導入検討することで、さらなるエコ商店街化とその継続を目指していこうとしています。

商店街概要

商店街名 新鳥取駅前地区商店街
所在地 鳥取市今町
組合数 88
URL http://www.eki.or.jp/