環境にやさしい商店街

新大門商店街

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~エココイン事業を活用したリサイクル活動~

 新大門商店街では、平成11年の名古屋市ごみ非常事態宣言を受けて、商店街独自の取り組みとしてリサイクルステーションを設置し、商店街から排出された資源ごみを自主回収する取り組みが始まりました。この取り組みに商店街女性部が諸手を挙げて賛同し、空き瓶や空き缶、トレーなどを持ち寄るようになり、自然とコミュニティの場が形成されるようになりました。 翌年には、名古屋市補助の「商店街情報案内システム(大門ナビ)」が街角に設置され、タッチパネル方式のディスプレイで、商店街グルメ情報やエコ商店街の情報などが来街者に向けて発信できるようになりました。
エココイン  商店街では「大門ナビ」のさらなる活用策として、金属製硬貨型のエココイン(Omonコイン、1コイン=10円相当)の独自製作に取り組み、早稲田商店街の取り組みに倣った商店割引券などラッキーチケットが当たる仕組みを大門ナビに採り入れました。これには23店舗が協賛し、大門ナビの利用促進とエココインの流通機会の多様化がはかられることになりました。 また、リサイクルステーションへの資源ごみ持参者には1エココインを進呈。マイ容器、マイ箸、マイ買い物袋の持参客にもエココインを1枚進呈するサービスが個店店主らにも広がりはじめ、商店街・消費者が一体となってエコ活動に取り組むようになってきました。
小売店舗で販売されているリサイクル小物品  しかしながら、資源ごみの自主回収活動は、法制度改正など社会ルールの変化を背景に、消費者の分別意識の定着によりその役割は終息を迎えようとしていました。また、大門ナビへの市の補助が切れ、端末機器の撤去が行われることとなりました。大門ナビの撤去に伴い、ラッキーチケットの協賛店舗からはエコ活動意識が低下し、さらにはエココインの持ち歩きの不便さ(重量感)や交換所での事務手続の煩雑さが嫌われ、エココインの流通が激減していきました。また、新大門商店街のある中村区は名古屋市内屈指の高齢化の町となっており、商店街組合役員や組合員にも高齢化の波が押し寄せていました。
  そんな中、平成22年度には、3年前にこの地域に移り住み、新大門商店街の中で介護サービスを営む50代の中堅組合員が理事長に推挙されました。新理事長は、まずは福祉優先の商店街づくりが大事であるとし、「福祉と環境にやさしい商店街」を目標に掲げた取り組みが始まっています。その第一弾として、商店街で27年間続いてきた歴史ある夏祭り「大門まつり」の他、「大門福祉まつり」を採りいれ新機軸を見出そうとしています。高齢化に伴い廃業に追われる店舗が増加する一方で、二代目の若手店主も3分の1を占めており、世代交代は過渡期にあるといえます。高齢者と若者との融合を目指し、福祉を取り込んだ新たなエコ商店街づくりに向けた取り組みが始まっています。

商店街概要

商店街名 新大門商店街
所在地 名古屋市中村区羽衣町
組合数 79
URL http://omon.cup.com/