環境にやさしい商店街

JR吹田駅周辺まちづくり協議会

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~商店街の低炭素化と活性化の両立~

 JR吹田駅周辺まちづくり協議会(まち協)は、平成21年4月、12の商店街振興組合をはじめ、市民グループや民間企業らが参画する自主独立組織として誕生しました。まち協の発足と同時期に、吹田市では国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用して、ヒートアイランド現象が著しいといわれていたJR吹田駅前地域における商店街エコ化事業実施の政策決定をしていました。まち協では、これに対し実施者として名乗りをあげ、「商店街エコ化事業推進委員会」を設置。JR吹田駅前商店街エコブランド創出構想の策定に取り組み、18回もの会議の末、平成21年11月に吹田市に同構想を提示しました。
  JR吹田駅前商店街(3商店街)のエコ化設備の設置状況 構想では、JR吹田駅前商店街を日本を代表する「低炭素モデル商店街」と位置付け、まち協は産・学・民・官の協働による「商店街の低炭素化と活性化の両立」の具体化を目指していくこととなりました。
  初年度となる平成21年度は、旭通・新旭町通り・錦通の3商店街をモデル事業商店街として、関西大学の学生らの協力のもと、二酸化炭素の排出量や商店街の賑わいなどの実態把握調査とともに、太陽光発電パネルやドライ型ミスト、高効率照明、見える化モニターなどのハード整備事業に取り組みました。3商店街の計約1.4キロメートルの距離に、旭通商店街のアーケード上には太陽光パネルとドライ型ミスト、新旭町通り商店街には高効率照明、錦通商店街にはドライ型ミストを設置しました。

JR吹田駅前商店街(3商店街)のエコ化設備の設置状況  ハード整備事業に合わせて、各商店街の店主らには今回の取組事業の説明を行い理解を求めました。大きな反発はなかったものの、一部の商店主からは「店先の商品がドライ型ミストの散布によって濡れてしまう」との懸念が挙げられました。しかし、テスト散布で商品被害はないことが判明し、延べ1,044メートルものノズルが無事設置されました。一方、錦通商店街アーケードに取り付ける太陽光発電パネルは、当初の計画では構造上問題があることが判明したため、モジュールを軽減させ支柱を立てて斜行型にし、負担軽減につとめました。
  設備の稼働は平成22年7月から始まり、ドライ型ミストは7月~9月の3か月間行われてました。猛暑となった平成22年の夏、アーケード街の外気温は2度ほどクールダウンし、店舗内の冷房設定温度も上げられコスト軽減できるという効果が生まれています。また、太陽光発電パネルから得た発電量のモニター調査も行っており、蓄電された電気は今後、関西電力に売却し売却益を基金として創設する予定です。基金創設後は、ランニングコストに充てたり、さらにまち協参加の他の商店街のエコ商店街化を進めるべくハード整備事業を行っていく考えです。

商店街概要

商店街名 JR吹田駅周辺まちづくり協議会
所在地 吹田市朝日町
構成数 12団体(商店街参加数:8、計441店舗)
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