環境にやさしい商店街

下町惣門会

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~ 歴史・文化を核とした商店街活性化の取り組み(米米惣門ツアー) ~

下町惣門地区の様子  山鹿湯町の南口、菊池川にかつて「惣門」と呼ばれる門があり、これに由来し今は惣門地区と 呼ばれています。ここは、かつては米どころとして栄えた町で、いまなお酒蔵・味噌蔵など米関係の商家が立ち並んでいます。地区内の商店主らによる「下町惣門会」では、その魅力的な町並みを活かしたガイド付のまち歩きツアー「米米惣門ツアー」に取り組んでいます。
下町惣門地区の様子  平成12年11月、当時の NHK ドラマ「オードリー」で山鹿市が舞台の一つとして取り上げられ、人が押し寄せる期待感と「がっかりさせない為に何かしなければ」という責任感から、「米」という地域に共通するテーマを前面に出した取り組みとして、「米米惣門ツアー」が始まりました。ドラマのロケが8月下旬、放送が11月ということもあり、これに合わせ、わずか3ヶ月の短期間で地域を見直し、「米」という地域共通のテーマを見つけることが出来ました(短期集中による地域資源の再認識)。「米米惣門ツアー」のガイドは、豊前街道の歴史に詳しい、ボランティアグループ「山鹿市旅先案内人の会」にお願いしました。
 当初、ツアーを商店街の若い世代20名ほどのメンバーでスタートさせたところ、思いのほか反応は良く、次第に観光協会での受付へと移し、ガイド方法も改善・レベルアップしていきました。平成14年には熊本県による地域づくり賞「まちづくりコンペ」で1位を獲得し、その直後に「第 1 回くまもと観光賞」を受賞すると、周りの見る目が変わりはじめ、視察なども増加しました。
 また、平成15年度からは、新たな取り組みとして、豊前街道一帯で「山鹿灯籠浪漫・百華百彩」を開催しています。山鹿は大正時代には西日本一の和傘生産地でもあり、このような歴史を活かし、地域の竹を切ってつくった灯籠を並べ、そこに和傘のライトアップを行います。当初はこの新たな取り組みに対し否定的な意見がありましたが、売上につながり始めると商店主の態度が変わっていきました。
 さらには、廃屋同然となっていた歴史的な芝居小屋「八千代座」が、昭和62年頃から市民寄付による復興がおこなわれ、昭和63年に国重要文化財に指定されました。その後の平成8年~13年には大改修が行われ、八千代座復元がメディアで報じられたこともあり、利用者はますます増加しました。
 現在、米米惣門ツアーの正式受入数は、年間約4,000~5,000人ですが、味噌蔵、酒蔵の無料見学を加えるとその何倍にもなります。この取り組みにより来街者が増加しただけでなく、自らの町を自ら工夫して説明することで、ガイドとして誇りをもって地元の紹介を楽しむようになり、仕事よりもツアーを優先的に考える店主も出てくるような状況になっています。

商店街概要

商店街名 下町惣門会
所在地 熊本県山鹿市山鹿
会員数 21
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