環境にやさしい商店街

甲府中央商店街

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~専門的なノウハウを有する団体と連携した店舗対策事業~

 甲府市の中心市街地には、かつて岡島百貨店、西武百貨店、ダイエー(のちにトポス)といった核店舗があったため、その中央に立地する甲府中央商店街(以下、中央商店街)は連日来街者で賑わっていました。しかし、バブル経済崩壊や郊外型大型商業施設の開業等の影響で、大型店の経営が急速に悪化し、平成10年には西武百貨店が、翌平成11年にはトポスが相次いで閉店してしまい、甲府駅からの動線として機能していた2店舗の閉店は、中央商店街にとって大きな痛手となり、徐々に空き店舗が増加しました。
 この流れを食い止めて賑わいを復活させるために、甲府商工会議所では中心市街地活性化基本計画(平成20年11月内閣府認定)の一環として、空店舗オーナーと賃貸契約を締結し、専門的な事業ノウハウを有していることが条件に、事業の運営を専門的な団体等に委託する「空店舗対策事業」を実施しています。
銀座街の駅の外観  平成22年10月現在、この事業によって、コリドー通り商店街の「櫻座」(運営主体:特定非営利活動法人 街づくり文化フォーラム)、かすがモールの「まちなかヴァンフォープラザ」(運営主体:株式会社ヴァンフォーレスポーツクラブ)、銀座通りの「銀座街の駅」(協同組合山梨安心サービス)などが誕生し、各分野における専門的なノウハウが活用されることで、ふれあい、おもてなし、交流など商店街が従来から有する「街の顔」としての機能が再生しつつあります。
櫻座の概観  これらの中でも、大正時代まで甲府市内に実在した同名の芝居小屋を商店街内に復活させた「櫻座」の取り組みは甲府市の新たな文化拠点として注目されています。平成17年、NPO法人 街づくり文化フォーラムのT氏、甲府商工会議所の職員らが中心となって「復活櫻座プロジェクト委員会」が立ち上がり、芸術と食を一緒に楽しめる空間として、櫻座の復活を目指すこととなり、そして同年6月にはコリドー通り商店街の空き店舗を利用した実験事業として、ギャラリー的施設、舞台イベント的施設、飲食コーナー等といった複数の機能を備えた小劇場が設置され、事業運営は同NPOに委託されました。同劇場では、平成17年6月の復活以降、ジャズやフラメンコから落語、かつてのキャバレーを再現した舞台まで多彩な公演が年100回ほど繰り広げられています。その客層も徐々に広がっており、市外からはもちろんのこと、静岡や長野などの県外客が 3割ほどを占めるようになりました。
 また、平成18年からは毎年、櫻座があるコリドー通りを中心とした「甲府ジャズストリート」というイベントを実施しています。このイベントは一晩に限って櫻座を含む 5 つの会場を使って、有名ジャズプレイヤー達による生演奏を催すもので、県内外から多くの客が訪れて中心街の活性化にも結びついています。

商店街概要

商店街名 甲府中央商店街(山梨県甲府市中央にある商店街の総称)
所在地 JR甲府駅南口から徒歩約10分
会員数 314
URL http://www.kofu-town.com/special/32/