人にやさしい商店街

富士健康印商店会

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~健康をキーワードとした商店街連携による活性化の取り組み~

 富士健康印商店会は、JR富士駅周辺に広がる4商店街で組織されます。この地区では、駅前に立地していた大型ショッピングストアが近年相次いで閉鎖し、それに伴い商店街への来街者も減少してきています。
商店街の様子(富士本町商店街)  4商店街は平成15年度に策定された中心市街地活性化基本計画の富士駅周辺地区にあたります。中心市街地活性化基本計画の策定を受けて、富士TMOが設置されることとなり、市や商工会議所、商店主や市民が中心となり、コンサルタント等も加わって話し合いを行う中で、「健康」をテーマにした商店街がよいのではという意見が挙げられ、富士健康印商店会の設置に至りました。なお、富士健康印商店会は、4つの商店会の上位組織ではなく、あくまでも参加する意欲のある店舗を会員とする取り組みです。
6つの健康印の新提案  富士健康印商店会の会員は、6千円/年の会費で現在57店舗が加盟しています。商店街の個性を生かした取り組みとするため、一過性のイベントを行うのではなく、各店舗で何十年も商売を行っている知識を生かし、店舗の中でミニ講座を開催することとしました。商店主自ら講師を行ったり、また商店主ができない場合には、他の人に講師を依頼して開催したりしています。商店街のいたるところで講座が開催され、商店主がみな講師であるため、大学のキャンパスのようであるということで、「健ブリッジ大学」と名づけ、年に2~4回、各3日間の日程で、10講座程度を開催しています。各講座、受講料は無料のものから1,000円程度までと様々です。1,000円であっても、付加価値があれば講座参加者は集まっており、安くするよりもある程度の金額をとることで、商店主も知恵や工夫を競い、また参加者の期待感も高まる点が重視されています。
 富士健康印商店会がテーマとする「健康」は、病気と対極にある健康ではなく、まちに出てくること、足を運ぶことを健康ととらえた取り組みであるため、いわゆる健康そのものでなくても、クレープ焼き体験教室など、参加型で、商店街というライブ感を感じさせる講座も開催しています。
 これらの取り組みにより、従来は受身であることの多かった商店街が、参加する各店舗が主体的に工夫して取り組むことになり、各店舗の意欲を生み出したことが成果といえます。課題としては、店舗によって取り組みに温度差が出ていることや、健ブリッジ大学に参加する店舗が固定化してきてしまっていること、商店街全体としては来街者数が減少する中では、主体的に取り組んでいる店舗であっても閉店を余儀なくされているところもあり、必ずしも売り上げへの成果が十分に出ているとはいえない点もあり、この解決のための方向性を見出していくことが求められています。

商店街概要

組織名 富士健康印商店会
所在地 静岡県富士市
組合(会員)数 57店舗(富士健康印商店会加入)
203会員(4商店会組合員数総数)
URL http://www.fujikenkou.com/