人にやさしい商店街

天神町銀座商店街

詳しい報告書はこちら

~「ヘスティア華城」開設などによる「やさしい街づくり」に向けた取り組み~

 天神町銀座商店街では、中心市街地の空洞化と住民の高齢化が進んだことを契機に、生き残りの道を探ろうとしていた平成17年頃に、商店街の性格づけとして、「やさしい街づくり」を目指す方向を見出しました。本来、老いも若きも混在するのが商店街ですが、同商店街のある松崎地区の高齢化率は24.2%と高く、経営者の高齢化も進み、切実な時期にきていました。また、商店街の客層は固定的で、お得意様相手の商売をすることで満足するといった意識を持つ経営者が殆どであり、「やさしい街づくり」を目指すことに対しては抵抗感がありませんでした。
 一方、社会福祉法人華世会では、米国で介護の勉強をし、介護は郊外ではなく、人と接する機会の多い街なかで行うべきであると考え、街なかで場所を探していました。その際、「やさしい街づくり」を進めようとしていた同商店街の理事長と出会い、開設に向けての活動が始まりました。
「ヘスティア華城」の外観  平成19年4月、2階建ての空き店舗を活用して「ヘスティア華城」はオープンしました。同施設は、小規模多機能型居宅介護・有料老人ホーム、学童保育の機能を持ち、高齢者が住み慣れた地域や環境の中で、普通に暮らしていけるように、「通い」「訪問」「泊り」を組み合わせたサービスを提供しています。
 同商店街の理事長は、商店街が地域に果たす役割はモノを売るだけではなく、様々なサービスを通じて情報発信して新しいコミュニティをつくることが必要と考えており、そのためには商店街は、元気であることと街の賑わいに寄与することが大事と考えています。ただし、「売れる」ことが基本であることは間違いなく、組合は情報発信して人を集める仕組みをつくっています。「ヘスティア華城」は、そうした意味で、商店街の活性化に多いに貢献しています。また、「ヘスティア華城」では、商店街や地域包括センターも参加して月1回の運営会議を開催しており、そこで商店街との関係などの問題も協議されています。
「防府東地域包括支援センター」の外観  また、防府市は、平成21年4月、同商店街の家具店駐車場の2階に「防府東地域包括支援センター」をオープンさせました。地域包括支援センターは、自立生活支援のための介護保険サービスの利用調整、介護予防の支援などを行っており、常に数十名が働き職員の昼食や買い物はできるだけ商店街を活用するようにしています。さらに、同商店街の一角に、平成21年11月に社団法人防府市シルバー人材センターが運営する「子育てサロン」がオープンしました。
 このような「人にやさしい商店街」に向けての様々な取り組みは、組合員に対しては、商店街として高齢化に対応していくといった活性化の方向付けに対する気付きを与えています。

商店街概要

商店街名 天神町銀座商店街
所在地 山口県防府市天神6-11
組合(会員)数 40名
URL