人にやさしい商店街

発寒北商店街

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~「ハツキタ倶楽部」による住みやすいまちづくりを目指した活動~

 発寒北商店街は、札幌市西区の商店街です。近年、郊外大型店が出店したことに伴い、商店街の疲弊が進んでいました。さらに、商店街の疲弊だけではなく、地域コミュニティの崩壊も地域の問題となっていました。
ハツキタ倶楽部事務所  このような問題に対応すべく、発寒北商店街振興組合では、商店街の復活とあわせて地域コミュニティの再生が必要と考え、「40年後札幌一住みやすいまち」を目指して商店街活動を行っていくこととしました。活動を行うにあたっては、商店街振興組合が行うことにより営利活動と誤解されないよう、「ハツキタ倶楽部」と名乗っています。
 地域の理解を得るため、まずは地域から理解の得られやすい清掃ボランティア活動や廃食油の回収などの環境の取組から始めました。廃食油の回収は、地域の小中学校や町内会を通じて回収を呼びかけました。廃食油回収のスタンプカードを作成し、持参するごとにスタンプ1個を押印し、スタンプがたまった時にはマイ箸やエコバッグをプレゼントするなどの工夫をした結果、多くの廃食油の回収につながりました。
イベントの様子  他にも、高齢者を対象に、各家庭の味を持ち寄って漬物の品評会を行ったり、漬物教室として世代を超えて漬物の味を伝えるイベントを開催したりなど、世代間交流にも取り組んでいます。「ハツキタ」のブランド化にも力を入れており、「馬力ラーメン」や「ぎんなんパン」などの商品開発を行っています。また、環境に配慮した取り組みを商店街の売り上げにもつなげていくため、平成21年からは地域通貨である「アトム通貨」を導入し、ハツキタ倶楽部で実施するイベントに参加した人や、エコ活動に協力した人に配布し、加盟店で1馬力=1円で利用できるようにしています。
  このような一連の取り組みは、商店街の売り上げとしての成果はまだこれからといえますが、地域活動としては盛り上がりを見せてきており、特に子どもから良い反応があります。ハツキタ倶楽部が地域活動に取り組む団体であるとの認識も高まってきています。活動がマスコミに取り上げられることもあり、注目されることが地域にとっての活力になるとともに、地域外の大学がハツキタ倶楽部の取り組みに着目し、商店街において地域出張ゼミを開催するなど、各種の連携した活動が始まってきています。住みやすいまちを目指しているハツキタ倶楽部では、今後は環境から高齢者福祉にも活動を展開したいと考えています。

商店街概要

商店街名 発寒北商店街
所在地 北海道札幌市西区発寒11条3丁目4-22
組合(会員)数 75店舗
URL http://www.hatukita.com/