人にやさしい商店街

ニュー北町商店街

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~NPO法人設立によるデイサービスや子育て支援事業の展開~

 ニュー北町商店街は、練馬区と板橋区の境界に位置し、両区からの集客のある商店街です。平成元年に設立された比較的新しい商店街振興組合であり、ニュー北町商店街の周辺には自衛隊駐屯地や伸銅所があることから、それらに勤務する人向けの飲食店や居酒屋の占める割合が高くなっています。ただ、これら店舗は小規模なものが多く、大人数の社用の歓送迎会の際には店に入りきらないこともあったため、平成3年に都と区からの助成を受け、商店街会館を建設しました。商店街会館の1階はテナントとし、2階をアートプラザとして畳敷きの広間に机やカラオケのセットも整えた貸会場として、商店街の各店舗が宴会等に利用できるようにしました。
 平成12年、商店街に隣接する伸銅所工場跡地に大型商業施設が開店したことから、商店街は危機意識を抱くようになりました。広告費や営業時間ではかなわない大型商業施設に対し、商店街だからこそできる地域への貢献があるとして、アートプラザの使われていない曜日を利用して65歳以上の高齢者を対象にしたデイサービス事業「いこいの家」の活動を始めました。「いこいの家」は、元気な高齢者を対象に、毎週1回、毎回15名程度が参加してカラオケ教室、絵描き教室、太極拳などの活動を行っています。講師は利用者の中で特技を持っている人などがつとめ、互いに教えあっての活動をおこなっています。
ハロウィーンのイベントの様子  さらに、児童虐待が社会問題になっていることから、地域から虐待児を出さないことを目指し、子育て支援事業である「かるがも親子の家」の活動も始めました。親と子が自由に集まる拠点とし、子どもがボランティアと遊んだり、母親同士が交流したりできます。かるがも親子の家は、現在は練馬区の事業「子育てのひろば」に選定され、保育士も配置しての活動となり、区の事業となったことで当初200円かかった利用料も無料となっています。
 これらの活動に際しては、商店街のおかみさん4人を中心に平成13年にNPO法人「北町大家族」を設立して運営にあたっています。
地域通貨「ガウ」  また、これらの活動を商店街の売り上げにつなげていくために、地域通貨「ガウ」を平成13年から発行しています。いこいの家やかるがも親子の家のボランティア参加者に、謝礼として支払っており、1ガウ=1円のレートで、商店街の買物に利用することができます。
  このような取り組みにより、大型商業施設の出店に対する危機感はあったものの、常連客が減ることなく各商店は営業を続けています。

商店街概要

商店街名 ニュー北町商店街
所在地 東京都練馬区北町2-35-4
組合(会員)数 50店舗
URL http://www.newkitamachi.jp/