人にやさしい商店街

寺町通り商店街

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~「りにゅうある商会」の発足を契機とした高齢者にやさしい商店街づくり~

 寺町通り商店街は、門前町という地域資源を活かしながら発展してきましたが、モーダリゼーションの進展、大型店の出店、都市の拡大に伴う中心市街地の空洞化が進み、地域住民の高齢化も相まって、大きく売上を減少させています。
商店街の様子  そうしたなか、平成15年に有志14~15名で「りにゅうある商会」が発足しました。この会では、行政や専門家も参加して月2回の会議を開催し、まず、現状把握をしようと来街者調査を10回ほど実施し、専門家に分析を依頼しました。その結果、商圏には年齢60歳以上の人が多いこと、商圏は狭く自転車等で15分程度の範囲であることが明らかになり、どのように活性化に取り組んでいけばよいのかの議論を重ねました。

リラクゼーションサービス店  「りにゅうある商会」での議論の結果、60歳以上の住民をターゲットとしたカード事業の実施が発案されました。カード導入の目的は、ゆったりとした気分でくつろいで安心して楽しみながら買い物ができる商店街作り、高齢者とのつながりをより深くする、井戸端会議的な街づくり、気楽に話し合える商店街作りとし、カード導入により、顧客との密接な関係作り、固定客の増加、売り上げ増・客数増を期待しました。それまでは、同商店街の活性化への取り組みは、「三・八市」や夜店などのイベントが中心で、ほとんどの店主がリピーターをつくろうという意思がありませんでした。このカード事業の特徴は、60歳以上の人が加入でき、加盟店で割引や景品など色々なサービスが受けられることです。
 また、同商店街では、桑名市の委託で、国のふるさと雇用再生特別交付金を活用し、高齢者などの買い物の利便性を向上させ、商店街の活性化を図ることを目的として、平成21年12月から商品宅配事業を始めました。そもそも宅配事業の必要性は、平成15年に発足した「りにゅうある商会」でも議論になっており、桑名市も理解していました。同事業では、市内の2名を雇用するとともに、宣伝費、配達拠点となる空き店舗の事務所賃借料及び維持費用、配達車両のリース代及び燃料費などを交付金で賄っています。
 カード利用者数は、平成22年9月16日現在で2,360名となっています。各店舗が思い思いのサービス提供を設定できることが、参加店加入のハードルを下げています。2,360名の男女比率は1:9、70歳代が半数を占めています。

商店街概要

商店街名 寺町通り商店街
所在地 桑名市南寺町69
組合(会員)数 38店舗
URL http://www3.ocn.ne.jp/~trz/